「函館でAIを使っている会社って、実際どこがあるの?」——函館の経営者と話すと、必ず出てくる質問です。
この記事では、2026年時点で公開情報から確認できる函館の生成AI・AI導入事例を整理しました。市役所・大学・地元AI企業・そして民間中小企業まで、実際に動いている事例を公共/アカデミア/民間の3領域で並べます。
公共セクター:函館市役所の生成AI活用

会議録の自動作成・手書き文字のデータ化
函館市は、会議録の自動作成や手書き文字のデータ化ができるAIツールを導入しており、行政事務の効率化を進めています。議事録作成は、民間企業でも最も時間を食う業務の一つ。市役所が先行しているのは、民間にとっても参考になる事例です。
生成AI利用のガイドライン策定
さらに市は、生成AIの適切な利用ルールを定めたガイドラインを策定し、職員が業務で活用できる環境を整備しています。これは民間中小企業にとっても、自社ガイドライン作成の参考になる動きです。
AIデマンド交通(西部地区)
既に複数の記事で触れていますが、函館西部地区ではAIデマンド交通の実証運行が進んでいます。AIが複数の乗客の行き先に合わせてルートを最適化する仕組みで、人口減・高齢化地域の交通課題に対する全国でも先進的な取り組みです。
総務省「地域社会DX推進パッケージ事業」選定
2025年、函館市を実証地域とするコンソーシアムが、AIを用いた通信負荷の低減・通信量確保の検証団体として選定されました。国の予算が入り、データが蓄積されていく中長期的な取り組みです。
アカデミア:公立はこだて未来大学
未来AI研究センター
2017年4月、道内の大学で初めてのAI研究拠点として開設。先進的なAI技術の研究開発と、地域課題への応用展開を両輪でやっているのが特徴です。
大学発ベンチャー輩出
未来大の研究成果から複数のベンチャー企業が生まれています。代表的なのが後述のAIハヤブサで、産学連携の成功モデルとして注目されています。
教職員向け生成AI合同研修会(道内初)
北海道内では、2024年7月に道内初の産官学連携による教職員向け生成AI合同研修会が開催されました。教育現場での生成AI活用リテラシーを高める動きが道内全体で進んでおり、函館も例外ではありません。
民間AI企業:株式会社AIハヤブサ

画像解析AIのスペシャリスト
2017年3月、未来大発ベンチャーとして設立。画像解析AIアルゴリズムの開発に強みを持ち、機械学習・ディープラーニング・画像処理の技術で幅広い課題解決を提案しています。
対象業界
自動車、工作機械、電子部品、食品、医薬、半導体、印刷、映画など多業種にまたがる外観検査システムを手掛けつつ、農業×漁業、農業×畜産といった一次産業の新しい仕組み作りにも踏み込んでいます。函館の産業構造との親和性が非常に高い事例です。
民間中小企業:ここが「これから」の主戦場
市役所・大学・地元AI企業は既に動いています。一方、民間中小企業レイヤーの生成AI活用は、2026年時点ではまだ始まったばかり。私が把握している範囲で、函館の中小企業でよく見られる活用パターンを挙げます。
- 飲食店:SNS投稿文をChatGPTで週次生成、Canvaで画像作成
- 小売店:商品説明文をAIで量産、ECへの出品効率化
- 観光ホテル:外国人ゲスト向け多言語案内をAIで自動化
- 水産加工:商談メールの英語化、市況レポートの要約
- 建設業:見積書の文面生成、現場日報の整形
- 士業事務所:クライアント向け説明資料の平易化
これらは「特別な開発」ではなく、ChatGPT等の既存ツールを業務に組み込むだけで実現できるレベルです。つまり、どの中小企業でも今月から始められます。
事例から学ぶ、函館の中小企業が動くべき方向
①市役所・大学の動きをウォッチする
公共セクターの取り組みは、民間にとって「ここまでやってOKなんだ」の心理的バーを下げます。函館市がガイドラインを作り、大学が研修を実施している。これは民間も続ける番、というメッセージです。
②AIハヤブサのような専門企業と組む領域を見極める
画像解析・複雑なモデル開発が必要な領域は、AIハヤブサのような地元の専門企業と組むのが合理的。一方、ChatGPTレベルで解決できる業務は、自社内で進める方が早い。役割分担の視点が大事です。
③「成功事例」を自社で作る
函館の中小企業で「うちはAIで生産性20%上がりました」という事例は、まだ希少。今から始めれば、業界内で目立つポジションを取れる可能性が高い。これは2026年現在の確実なチャンスです。
自社で事例を作るための最短ルート
上記の既存事例を参考に、自社で成功事例を作るための手順は、以下のシンプルな流れです。
- 01業務棚卸しで、AIが効く業務を3つ特定
- 021業務に絞って2〜4週間のPoC
- 03効果を数字で測る(時間削減、品質向上)
- 04社内ガイドライン策定(市役所のものを参考に)
- 05全社展開と、外部への事例発信
関連サービス
函館の中小企業がAI導入で失敗しないための5ステップ
上の手順を、もっと詳しく解説した記事です。具体的な業務棚卸しの方法から、定着までのフローをご覧ください。
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著者:今津 遼也(株式会社HAKOBUNE 代表取締役)
