Hakodate AI Landscape

函館のAI事情2026 — 大学・企業・行政・民間の全景

函館のAIエコシステムを一望できるまとめ。公立はこだて未来大学の研究、AIハヤブサ等の地元企業、函館市のAIデマンド交通や総務省実証事業、そして中小企業・個人のAI活用まで、2026年時点の全景を整理します。

函館AI動向10分で読めます
函館のAI事情2026 — 大学・企業・行政・民間の全景

「函館でAIって、実際どうなってるんですか?」——最近このような質問を受ける機会が増えました。函館高専OBで、今は東京本社のAI開発会社を経営しながら函館でも事業を広げている立場から、2026年時点の函館AI事情を整理してみます。

結論から言うと、函館は日本の地方都市の中でもかなり早くからAIに取り組んできた街です。ただ、その事実が地元の中小企業・個人にまで届いているかというと、まだ途中。この記事では、アカデミア・地元AI企業・行政・そして民間の動きを4つのレイヤーで整理します。

レイヤー1:大学・研究 — 国内でも早い時期からのAI拠点

大学・研究のAI拠点

函館のAI事情を語るうえで、公立はこだて未来大学(通称:未来大)は外せません。2017年4月、道内の大学で初めてのAI研究拠点「未来AI研究センター」が開設されました。先進的な人工知能技術の研究開発を支援し、地域課題への応用展開を図るという、地方大学としては踏み込んだミッションを掲げています。

未来大は元々が情報系に特化した大学で、学生・研究者の層が厚い。このアカデミックな基盤があるから、函館のAIは地方都市としては珍しく、大学発ベンチャーが育つ土壌になっています。

レイヤー2:地元AI企業 — 未来大発ベンチャーの代表格

函館で代表的なAI企業が株式会社AIハヤブサ。2017年3月、未来大発ベンチャーとして設立されました。画像解析によるAIアルゴリズム開発を強みに、機械学習・ディープラーニング・画像処理で課題解決を提案しています。

彼らの面白いところは、領域の広さ。自動車・工作機械・電子部品・食品・医薬・半導体と多業種にまたがる外観検査システムを手掛けつつ、農業×漁業、農業×畜産といった一次産業の領域にも踏み込んでいる。函館の産業構造(水産・食品加工)と親和性が高く、地域のリアルな課題を拾えるポジションにあります。

つまり、函館のAI企業シーンには「大学の知見を実装するプレイヤー」がすでに存在する。この事実は、函館の中小企業がAI活用を検討するうえで心強い背景情報です。

レイヤー3:行政 — AIデマンド交通と国の実証事業選定

函館市の動きも、地方自治体としては積極的です。西部地区でAIデマンド交通の実証運行が進められていて、AIが複数の乗客の行き先に応じてルートを自動で組み替える仕組みが稼働中。人口減・高齢化に直面する地方都市にとって、交通の最適化は切実な課題です。

2025年には総務省「地域社会DX推進パッケージ事業」の実証地域にも選定されました。AIを使った通信負荷の低減・通信量確保の実証で、函館が選ばれた意味は大きい。国の予算が入り、データが蓄積されて、将来の地域DX基盤になっていきます。

レイヤー4:民間中小企業・個人 — ここが空白地帯

函館のAIエコシステム

アカデミア・地元AI企業・行政と、上の3レイヤーは確実に動いています。問題は、最後のレイヤー——民間の中小企業や個人が、日常業務でAIを使いこなせているか。

ここが、正直なところ、まだ空白地帯です。経営者の方々と日々お話ししている個人的な感覚では、函館の中小企業で生成AI(ChatGPT、Claude、Gemini等)を業務で日常的に使っている会社はまだ少数派という印象です(定量的な調査データはまだ少なく、公的統計でも日本全体で導入途上です)。

でも、これは逆に言えば機会です。大企業が既にAIを使いこなしている分野に、中小企業が今から参入するのは難しい。でも、生成AIは「使い始めれば誰でも使える」ツール群です。函館の中小企業がこれから半年〜1年で本気で取り組めば、地域内で一歩リードできるポジションを取れます。

2026年に函館で起きそうな変化

これまでの流れと、私が函館の経営者と話していて感じる温度感から、2026年に起きそうな変化を3つ挙げます。

  1. 01函館市・商工会議所主導でのAI活用セミナー・補助金案内が増える(人材開発支援助成金の活用拡大)
  2. 02地元の中堅企業数社がAI導入の成功事例を出し、その話が函館新聞・北海道新聞に載る(心理的ドミノ)
  3. 03生成AIコンサル・研修の民間事業者が増える(HAKOBUNEを含め、複数社が参入)

函館の中小企業が今すべき3つのこと

この流れの中で、函館の中小企業経営者が今すべきことを、私なりに整理します。

1. 経営者自身が「触って」みる

部下に任せるのではなく、まず社長自身がChatGPTを1ヶ月使ってみる。日常の質問、メールの下書き、出張計画の整理。これをやるかやらないかで、その後の判断力がまったく違ってきます。

2. 1業務だけでPoCを走らせる

全社導入ではなく、1業務限定でAI活用を2〜4週間試す。この話は別の記事でも書いているので興味があればどうぞ。

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函館の中小企業がAI導入で失敗しないための5ステップ

業務棚卸し→PoC→ROI測定→定着→横展開の具体手順を、函館の事情を踏まえて整理しています。

3. 情報源を意図的に増やす

函館にいると、東京の勉強会に気軽に参加できない分、意図的に情報源を作らないと取り残されます。Xでの情報収集、Claude/Perplexityで週次の業界動向要約、地元の商工会議所のセミナー参加——複数ルートでの接点づくりが効きます。

まとめ:函館は「これから」が面白い

函館は、AIの基礎研究と地元企業の取り組みにおいては、地方都市として既に先進的な位置にいます。欠けているのは、中小企業・個人がAIを日常的に使いこなす状態。ここは逆に言えば、これから大きく伸びる余白です。

HAKOBUNEは、まさにこの民間レイヤーを埋めるために函館で事業を広げています。中小企業のAI導入、個人向けAIスクール、AIセミナー・研修——どれも「函館の普通の人たちがAIを使えるようになる」ためのサービスです。

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生成AIコンサルティング

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著者:今津 遼也株式会社HAKOBUNE 代表取締役

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